2021年度TOMH基礎コース開講にあたり

東京大学大学院医学系研究科
精神保健学分野
教授 川上憲人
東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野では、職場のメンタルヘルスの専門家を養成するための研修プログラムである「職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム(TOMH)」基礎コースを2012年から開講し、これまでに350人を超える方に受講いただき、高い満足と評価をいただきました。コースを修了した受講生の組織である「TOMH同窓会」は、全国に広がるネットワークとして、コース受講後も受講生を支えてくれています。
2020年の本コースは新型コロナウイルス感染症の拡大のためにプログラム初のオンライン講座として開講しました。オンライン開講には遠方の方が参加できるなどの利点もあります。しかし2021年の本コースは、再度、対面形式での開講に立ち戻って、東京大学構内で開催を予定しています。本年後半でもまだ新型コロナウイルス感染症の流行が散発的にみられる可能性を考慮して、広い会場で、三密を避けて実施する計画です。
研修内容は例年どおり、ケース対応からストレス対策、ポジティブメンタルヘルスに至る職場のメンタルヘルスの幅広い技術領域を体系的に、さまざまな職種(人事労務担当者を含む)が集まり、現場で使える技術を職種横断的に、実践的に学ぶものとしています。国際動向、ポジティブ・メンタルヘルスなどの最先端の知識と技術に加えて、新型コロナウイルス感染拡大下での職場のメンタルヘルスのオンライン対応についてもノウハウを提供する予定です。 このコースを受講された方が学んだ知識を活かしてそれぞれの現場でより質の高い仕事をされるとともに、自ら情報発信し、職場のメンタルヘルスの次のリーダーになっていただくことを期待しています。
本コースについては所定の日数以上出席された場合には、修了証を授与いたします。しかし本コースを受講することで、何らかの資格等が付与されるわけではない点はどうぞご理解ください。
なお、私が2022年3月に東京大学を定年退職する関係から、私の在任中の基礎コースはこれが最後になるかと思います。TOMH基礎コース開講10周年になるこの記念すべきコースで、皆さんと一緒に学べることをとても楽しみにしています。
注:「基礎コースR」第10期生の募集は2021年6月1日より開始予定です。「イノベーションコース」は2021年度の募集はありません。