「職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム」開講のご挨拶

東京大学大学院医学系研究科
精神保健学分野
教授 川上憲人
東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野では、職場のメンタルヘルスの専門家を養成するための研修プログラムである「職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム(TOMH)」基礎コースを2012年に開講しました。プログラムは2020年で9年目を迎え、これまでに300人を超える方に受講いただき、高い満足と評価をいただきました。この間、私たち講師陣も、受講生との交流から多くを学び、職場のメンタルヘルスの実践に何が必要かについて真剣に向き合うようになりました。基礎コース開設6年目を迎えた2017年には、「基礎コースR」としてリニューアルして開講しています。コースを修了した受講生の組織である「TOMH同窓会」は、全国に広がるネットワークとして、コース受講後も受講生を支えてくれています。
2020年のTOMH基礎コースは、プログラム初のオンライン講座として開講します。私たち講師陣にとっても大きな挑戦ですが、新型コロナウイルスの流行が今後しばらく続く可能性を考慮し、オンライン開講を決定しました。一方で、これまで東京から遠隔地にお住まいであるなどの理由で受講をあきらめておいでだった皆様にもこのプログラムを提供できることには大きな意義があると感じています。もちろん研修内容は、これまでのプログラムと同様に、ケース対応からストレス対策、ポジティブメンタルヘルスに至る職場のメンタルヘルスの幅広い技術領域を体系的に、さまざまな職種(人事労務担当者を含む)が集まり、現場で使える技術を職種横断的に、実践的に学んでいただきます。また、国際動向、ポジティブ・メンタルヘルスなどの最先端の知識と技術に加えて、新型コロナウイルス感染拡大下での職場のメンタルヘルスのオンライン対応についてもノウハウを提供する予定です。プログラムの特徴の1つである受講生同士の交流を促す工夫も加えてまいります。
1つご注意をお願いしたいことがあります。本コースについては所定の日数以上出席された場合には、修了証を授与いたします。しかし本コースを受講することで、何らかの資格等が付与されるわけではない点はどうぞご理解ください。
職場のメンタルヘルスは時代とともに大きく変化しています。このコースを受講された方が学んだ知識を活かしてそれぞれの現場でより質の高い仕事をされるとともに、自ら情報発信し、職場のメンタルヘルスの次のリーダーになっていただくことを期待しています。皆さんと一緒に学べることをとても楽しみにしています。
注:「基礎コースオンライン」第9期生の募集は2020年6月1日より開始しております。「イノベーションコース」は2020年度の募集はありません。